こんにちは!
今回自然素材を使って床は無垢材にしたい!などご要望がありましのでテーマにしました。アコルデでいつも仕入れ先として、とても信頼できる業者さん(資料も提供してくださいました)と協力して無垢材の親しみがよりでてくるような内容にしたいと思っております。
天然木のノウハウを結集して、「天然木商品のポイント」をまとめてました。
何となく天然木を選んでいる方、天然木に不安を持っている方、これから天然木を使ってみたい方など、みなさんにとって新しい発見のある資料になっていると思いますので、少し、専門的になるかもしれませんがぜひご一読ください。
「含水率」について💧
天然木商品で最も重要と言っても過言ではない「含水率」についてです。
どんな木の種類の商品を選んだとしても、とても重要なこと。それが「含水率」です。
たとえば、天然木フローリングでこんなご経験ありませんか?
●フローリング間に大きな隙間ができてしまった
●大きな割れが出来てしまった
●反り・狂いが発生して張り替えたことがある
●カビが生えた!
などなど・・・
実はこれ、木の「含水率」が原因かもしれません。
含水率とは、読んで字のごとく、木に含まれている水分の割合のこと。
「含水率を下げる=しっかり乾燥させる」ことが、天然木商品ではとても重要です。
もともと、木には多くの水分が含まれています。
それを人工的に乾燥させたとしても、木は大気中の水分量と平衡を保とうとするため、
湿気の多い時期は木の含水率も高くなり、乾燥する時期は木の含水率も下がります。
この水分の動きによって、木が膨れたり、縮んだり、割れたりするのです。
含水率1%に対して寸法が変化する割合を「寸法変化率」といい、
これは木の種類や、木の挽き方(板目・柾目など)によっても違います。
例えば、スギ板で含水率が6%減った=乾燥した場合、板巾が120mmの場合、
1.872mmも縮んでしまいます。(板目方向)
これだけ縮んでしまうと、かなり大きな隙間ができてしまいますね。
木は商品になっても呼吸をしているため、
こういった木の動きを完全になくすことはできないのですが、
極力少なくすることはできます。
その方法が、「木をしっかり乾燥させる」ことです。
一度しっかり乾燥した木は、空気環境によって多少の変化はあるものの、なかなか乾燥前の含水率には戻りにくいという性質があります。
これを「木材のヒステリシス現象」といいます。
つまり、木に、乾燥状態を覚えさせれば、その後の水分の動きというのはとても少なくなり、安定した材料になるということです。
天然木商品の場合、この「含水率」にしっかり気を配って製造されているものかどうか?
ここが、選ぶポイントのひとつとして覚えておいてくださいね。
木の種類🌳
まずは、木の種類から。
木の種類は大きく「針葉樹」と「広葉樹」に分類されます。針葉樹は針のような葉をつけるのが特徴で、広葉樹は平べったく開いた葉をつけます。
針葉樹の代表格は杉・ヒノキ・パインなどです。
針葉樹は英語で「ソフトウッド」と言い、その名の通り、商品としてはやわらかく、あたたかみのあるものが多いです。
仕上がりイメージとしては素朴で、ナチュラルな雰囲気になります。
木ならではのぬくもりを感じられるのが針葉樹の最大の特徴です。
ただし、キズがつきやすいという点はご注意ください。
一方で、広葉樹の代表格はオーク、バーチ、ウォルナットなどです。
広葉樹は英語で「ハードウッド」と呼ばれ、一般的に硬く、重厚感のある木が多いです。
ただし例外もあり、あの軽くてやわらかい「バルサ」は実は広葉樹なのです。
節がある商品はラフでワイルドな仕上がりになり、節がない商品はモダンな、クリーンな仕上がりになります。
木の種類が多く、選択肢が多いのも特徴です。
また、針葉樹に比べて硬さもありますので、キズがつきにくいです。
│赤身と白太
次は「赤身(心材)」と「白太(辺材)」です。
特に杉の丸太を見ればわかりやすいのですが、木の芯に近い方が赤い色をしていて、周りは白っぽい色になっています。
これが「赤身(心材)」と「白太(辺材)」です。
木は、樹皮のすぐ内側が成⾧し、太くなっていきます。
つまり、木の芯から外に行けば行くほど新しくて若い細胞ということになります。これを「肥大成⾧」と言います。
木の若い細胞は水を通し、木全体に栄養を送ります。それが白太の役割です。
その若い細胞は年月が経つとその役割を終え、だんだんと「赤身」に変化していきます。
赤身は白太と比べて硬く、木を支える役割をしています。
また、赤身にはたくさんの樹脂成分が含まれており、虫に食べられにくい防虫成分や、腐りにくい防腐成分も含まれています。
そのため、赤身の天然木商品は、水や湿気の影響を受けやすい場所など、耐久性が求められる箇所に使われることが多いのです。
赤身だけの商品を作ろうとすると大きな丸太が必要になるため、赤身だけの天然木商品は、一般的には高値になります。
ちなみに、赤身と白太が混在している商品を「源平」と呼びますが、
これは昔、「源平の合戦」で源氏が白旗・平氏が赤旗を掲げていたことに由来しているようです。
│節
最後に、節についてです。「節」ってそもそも何か、お分かりになりますか?
節は、木の「枝の跡」です。
木は枝から葉っぱを茂らせて、光合成をして成⾧していきます。木には必ず枝があります。
枝のない木は存在しません。木の成⾧の基になっている枝の跡こそが、節の正体です。
一方で、無節という天然木商品も存在します。
これは、木の成⾧過程で、「枝打ち」という枝を切り落とす作業をして、あえて節ができないように、労力と時間をかけて作るのです。
そのため、一般的には無節の商品は高値になります。
節あり・節無し 両方とも木の魅力を存分に味わえることには変わりませんが、最近では、
自然そのままの木を楽しみたい場合、あえて「節あり」を選ぶ方も増えています。
塗装の種類
塗装は天然木商品の経年・寿命に大きく関係する、大切なポイントです。
塗装には多くの選択肢があり、悩まれている方も多いと思います。
天然木に施される塗料は、大きく3タイプあります。
・造膜タイプ
・含侵タイプ
・半造膜タイプ
ひとつひとつ、説明していきますね。
1. 造膜タイプ ・・・ 木の表面に塗料の膜を作り、保護するタイプ
<メリット>
・木に汚れが染み込まないので、普段の掃除がしやすい
・他のタイプと比べてキズが付きにくい
<デメリット>
・表面に塗料の膜を作るので、木の感触、風合いがなくなる
・キズがついたときに部分的に補修ができない(全面塗装をはがす必要がある)
<具体的な塗料の種類>
・ウレタン、ラッカー
・ペンキなど
2. 含侵タイプ ・・・ 塗膜を形成せず、木の中に染み込むタイプ
<メリット>
・木の感触、風合いを活かした仕上がりになる
・部分補修が可能
<デメリット>
・キズや汚れが付きやすい
・再塗装の周期が早い
<具体的な塗料の種類>
・自然オイル
・染色ステインなど
3. 半造膜タイプ ・・・ 木の特徴をなくさない程度の塗膜をつくるタイプ
<メリット>
・造膜タイプと含侵タイプの中間タイプ
・比較的メンテナンスも容易
<デメリット>
・きれいに塗るのが少し難しい
・木の表面に若干の塗膜を感じる
<具体的な塗料の種類>
・ハードワックスなど
ご覧のように、それぞれの塗料タイプに一⾧一短があり、天然木を使う場所や使い方によって適正がかわります。
そのため、「これが一番いいですよ!」と言うのは難しいのですが、
それぞれの塗料タイプの良さを最大限に活かすことに着目すれば、目的に応じて選ぶことができます。
●日常のお掃除のしやすさを最優先したい ・・・ 造膜タイプ
●天然木の良さを最大限に活かしたい ・・・ 含侵タイプ
●木の良さも感じたいが、日ごろのちょっとしたお手入れも楽にしたい ・・・ 半造膜タイプ
住宅で天然木を使う場合、含侵タイプをご採用いただくケースが圧倒的に多いです。
家でくつろぐとき、木の感触・香りが感じられると、リラックス効果も格別ですからね。
一方で、幼稚園や保育園でも天然木をご採用頂くケースも多いのですが、その場合、オーナー様のお考えによって、含侵タイプか造膜タイプ、どちらかが選ばれます。
半造膜タイプは「造膜タイプと含侵タイプの良いところ取り」とも言えますので、
これからさらに普及してくるかもしれません。
お打合せでは、「木の種類選び」をじっくりされることも多いかと思いますが、
「どの塗料を使うか」ということもとても重要です。
というのも、⾧年にわたるお手入れの仕方や、木に触れたときの質感にも大きく影響するからです。
今回の内容を、ご要望・目的に合った塗装選びの参考にして頂ければ幸いです。
塗料タイプによって日ごろのお手入れに使えるクリーナーややり方も変わるため、注意が必要です。
また次回シリーズもございますのでご期待下さい。
今回、ご協力頂いた協力会社もご紹介いただきます。
提供:大和屋 株式会社
少し遠方になりますが、埼玉県熊谷市にございますショールームも是非ご活用ください!
URL: https://www.yamatoya-kk.co.jp/kenzai/showroom/
世の中には色々な天然木材がありますが、ただ安いだけで選ぶと大変なことになります。しっかりとした素材商品としっかりとした技術の高い大工が合って初めて家が生まれます。
是非アコルデの日々の取り組みをご理解いただければ幸いです。